2009 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーオキシド超産生型XOR変異酵素ノックインマウスを用いた病態生化学的研究
Project/Area Number |
20590317
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
西野 朋子 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (80075613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 研 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60267143)
松村 智裕 日本医科大学, 医学部, 助教 (20297930)
草野 輝男 日本医科大学, 医学部, 助教 (30434129)
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Keywords | キサンチチン酸化酵素 / キサンチチン脱水素酵素 / フラビン酵素 / モリブデン酵素 / 活性酸素 / トランスジェニックマウス / ノックインマウス / 酸化酵素型-脱水素酵素型変換 |
Research Abstract |
哺乳類キサンチン脱水素酵素は通常の生理的条件下ではNADを電子受容とする脱水素酵素(XDH)として存在するが,Cys535/Cys992, Cys1316/Cys1324のカップルがS-Sを作る事で酸素を電子受容体とする酸化酵素(XO)に可逆的に変換し,活性酸素(過酸化水素およびスーパーオキシド)を生成する.しかも生成活性酸素の約70%がスーパーオキシドである。本年はスーパーオキシド超産生変異酵素(W335A/F336L)によって置換されたトランスジェニックマウス(wt-knockout/mutant-knockin(XO-01)について、Neo(-)-xo01(-/+)であったものを、matingさせてNeo(-)xo01(+/+)として作成を完成させた.野性型では本酵素は肝臓,腎臓,膵臓,肺,及び血管内皮細胞に広く分布しているが,これらヘテロ,ホモノックインマウス,及びコントロールとしての正常マウスの肝臓を用いてその発現量を確認する実験を行った。フレッシュホモジネートの10万xg上清のXDH及びXO活性を測定した.ホモジナイズはポッター型ホモジナイザーで注意深く行った.その結果,正常(wt)マウスを用いたコントロールサンプルは,XDH/XO(D/O比)は11と脱水素酵素型が約90%を示したのに対し,ヘテロマウスは脱水素酵素型活性と酸化酵素型活性はほぼ等しく50%を示し,更にホモマウスは酸化酵素型活性をほぼ100%示し,発現酵素の性質からも適正にノックインマウスが作成されている事を示した.又本酵素が発現しないノックアウトマウスはキサンチン蓄積による腎結石のため短期間で致死にいたることが判明しているが,本実験においては,ホモ,ヘテロマウス共に10ヶ月間,体重等に差なく,生育している.此の事は個体レベルでの変異体発現の傍証となる.今後コントロール個体との寿命に於ける違い,各臓器での発現量の差,組織像の変化等を解析していく.又それぞれの系の個体に対して,病態的ストレス,又は代謝的付加を掛ける事によって、それぞれの系に於ける差異を生化学的,病理的に解明してスーパーオキシドの役割を解析していく予定である.
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Research Products
(9 results)