2010 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAライブラリーを使ってゲノム刷り込みの調節分子を同定する
Project/Area Number |
20590330
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
副島 英伸 佐賀大学, 医学部, 教授 (30304885)
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Keywords | エピジェネティクス / ゲノム刷り込み / 刷り込みドメイン |
Research Abstract |
Kip2/Lit1刷り込みドメインの調節分子を同定する目的で、Kip2の下流にIRES-GFP遺伝子を挿入したマウスES細胞を得た。しかしながら、GFPはmRNAレベルでは発現しているものの、免疫染色では発現を認めなかった。使用したES細胞では、ノックイン遺伝子はIRES配列も含めて転写されるもののIRES配列が機能せずGFPの翻訳ができたかったと考えられた。また、Kip2の発現はES細胞に比して線維芽細胞では低いレベルであることから、スクリーニングの効率に問題があると考えられた。そこで、解析対象をKip2/Lit1ドメインからIgf2rへ変更することとした。Igf2rは母性発現する刷り込み遺伝子で、ES細胞を分化誘導すると両アレル発現から片アレル発現すると報告されている。このため、マウス作製を必要とせずES細胞の分化誘導で刷り込みパターンの確立を再現できる系を構築できる。多型により親由来アレルを区別するため、B6を母にJF1を父に持つF1マウスのES細胞を用いた。発現解析で未分化状態では両アレル発現、分化誘導後は母性発現を示すことを確認した。そこで、Igf2r下流にVenus (YFP)をin-frameにつないだベクターを構築し導入した。得られたクローンはすべて母性アレルにマーカー遺伝子が組み込 まれてており、これはB6とJF1のSNPによる組換え効率の違いを反映しているものと考えられた。一次インプリント領域であるAir-DMRのメチル化は、分化状態にかかわらず母性メチル化を示すことも確認した。このことは、本実験系が分化誘導だけでメチル化非依存的に刷り込み状態を変化させることがでる系であり、siRNAライブラリーによるスクリーニングの計に適していることを示す。現在、父性アレルへRFPを組み込むため、Igf2r-2A-E2Crimsonベクターを構築し組換え細胞のスクリーニングを行っている。
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Research Products
(16 results)