2008 Fiscal Year Annual Research Report
膵・胆道癌の増殖と腫瘍血管新生を制御する時計遺伝子
Project/Area Number |
20590334
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
鬼島 宏 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 教授 (90204859)
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Keywords | 癌 / 膵臓 / 胆道 / 時計遺伝子 / 血管新生 / 遺伝子制御 |
Research Abstract |
膵癌(その大部分を占める浸潤性膵管癌)ならびに胆道癌(特に胆管癌・胆嚢癌)は、生命予後がきわめて不良で、難治性癌の代表とされている。これら膵癌・胆道癌の病態には、癌細胞増殖および血管新生の特性が関与する。生物時計が制御する概日リズムの下で、癌の細胞増殖や腫瘍血管の新生が行われるとの作業仮説に基づき、これを個体レベルで証明することで膵・胆道癌における高悪性度の病態を解明する。本年度の実績は、以下の通りである。 (1) 概日リズム下での癌細胞の増殖・浸潤を制御する時計遺伝子の発現解析 生物時計が刻む概日リズム解析は、培養細胞レベルでは同調因子として、高濃度(50%)血清刺激を用いる。ヒト膵・胆道癌の細胞株に高濃度血清刺激を与えて、個々の細胞のリズムを同調させることにより、日内リズムを誘導させる。刺激してから4時間おきに最大48時間まで、細胞からmRNAとタンパク質を回収し、各種の時計遺伝子のリズム発現の変動を解析した。 (2) 癌細胞の時計遺伝子と血管新生遺伝子との関連解析 免疫沈降法を用いて以下の実験を行う。癌細胞株に、DEC1ないしDEC2発現プラスミドを導入してから、HIF-1αおよびARNT1の抗体で免疫沈降し、VEGF遺伝子プロモーター上のHREに結合するHIF-1αおよびARNT1タンパク質とDECタンパク質との相互作用を解析し、VEGF発現活性の検討を行った。 今後、細胞レベルから個体レベルでの研究展開を図るための準備を行った。
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Research Products
(5 results)