2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患における封入体の役割と結合異常タンパク質の同定
Project/Area Number |
20590335
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
丹治 邦和 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 助教 (10271800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 孝一 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50240768)
今泉 忠淳 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90232602)
吉田 秀見 弘前大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40201008)
松宮 朋穂 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30344592)
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Keywords | 脳神経疾患 / 蛋白質 |
Research Abstract |
申請者らは、最近、αシヌクレイノパチー(パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症)の細胞内封入体の構成タンパク質のひとつ「NUB1」を見出した。 本年度は主に下記1および2を行った。概ね計画通り進行し、成果が出ている。 1、αシヌクレイノパチー脳を用いたNUB1のリン酸化、ユビキチン化に関する検討 上述の病変部位ならびに正常対照の凍結脳組織から5mL/g(volume/weight)を低張溶液、界面活性剤溶液、SDS溶液、尿素溶液を用いて順次溶解し、抽出した各サンプルをWestern blotにより解析した。その結果、レビー小体型認知症では、尿素画分においてNUB1の量が増加していることが明らかとなった。しかし正常対照例と比較して、分子量に差が認められないことから、不溶性NUB1はユビキチン化およびリン酸化修飾の可能性は低いと考えられた。 2、NUB1トランスジェニックマウスを用いた病理学的・行動学的検討 Thy1遺伝子のプロモーターを利用してヒトNUB1を神経細胞に発現するための発現カセットの作成が完了した。マウス誕生後、病理学的、生化学的、行動学的検討を行う。 一方、既に飼育しているαシヌクレイントランスジェニックマウスを用いて、病理学的および生化学的検討をおこなったところ、シナプスにNUB1の異常蓄積が認められた。このような変化は対照例では認められなかった。興味深いことに、αシヌクレイノパチーの患者脳でも、動物モデルで認められた変化を確認した。
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