2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイ法を用いた骨髄に初発するびまん性大細胞性B細胞性リンパ腫の発現解析
Project/Area Number |
20590339
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山下 依子 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 講師 (90303643)
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Keywords | 骨髄 / びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 / 免疫グロブリン遺伝子 / ケモカイン / ケモカインリセプター / マイクロアレイ / XCR1 / B1細胞 |
Research Abstract |
骨髄に初発するびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫は特徴的な臨床病態を呈する難治性のリンパ腫である。診断および治療方法の確立のためにはまず骨髄に初発するびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(骨髄DLBCL)を通常型のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(節性DLBCL)と区別するマーカーを同定する必要があると考えられる。そこで我々は特にケモカインおよびケモカインリセプターが関与している可能性が高いと考え、特異的分子を明らかにすることを目的として以下の解析を行った。今年度は14例の骨髄DLBCL症例の免疫グロブリンVH遺伝子のシークエンス解析を行ったところ、11例で自己抗体産生に関与することが知られている免疫グロブリンVHファミリーを有していた。4例の骨髄DLBCLと7例の節性DLBCLのcDNAを用いてケモカイン・ケモカインリセプターに限局した発現マイクロアレイを行ったところ、13個の遺伝子がコントロールと比較して有意に発現量が異なっていた。そのうち、骨髄DLBCLで上昇していた6遺伝子のなかで背景組織の影響が少ないと思われたXCR1について、9例の骨髄DLBCLと10例のコントロールを用いて定量RT-PCR法を行ったところ、骨髄DLBCLで節性DLBCLと比較して有意に上昇しており(p<0.05)、免疫染色にて80%の骨髄DLBCL症例に陽性像が認められた。以上の結果から、XCR1は診断マーカーとして、また新たな治療法の標的として有用であろうと考えられ、次年度以降はXCR1についてさらに詳しい解析を行う予定である。
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