2008 Fiscal Year Annual Research Report
アテローム血栓症の発症における新規骨代謝因子OPG/RANKLシステムの関与
Project/Area Number |
20590344
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
畠山 金太 University of Miyazaki, 医学部, 講師 (60325735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸塚 浩助 宮崎大学, 医学部, 准教授 (00239154)
佐藤 勇一郎 宮崎大学, 医学部, 助教 (90347055)
今村 卓郎 宮崎大学, 医学部, 講師 (60203329)
鶴田 敏博 宮崎大学, 医学部, 助教 (10389570)
|
Keywords | Osteoprotegerin / RANKL / アテローム血栓症 / 動脈硬化症 / 臨床病理学的検討 / 免疫組織化学 / フローチャンバー法 / 血小板凝集 |
Research Abstract |
Osteoprotegerin (OPG)は、Receptor activator of NF-kB (RANKL)のおとり受容体としてRANKLの真の受容体であるRANKと拮抗し、RANKより高い親和性でRANKLに結合することによりRANKLの活性を抑制する。(目的および方法)動脈硬化症の進展およびアテローム血栓症の発症におけるOPG/RANKLシステムの関与について、ヒトの病理組織標本(狭心症患者DCA標本、急性心筋梗塞患者の冠動脈から吸引採取された新鮮血栓)を用いた臨床病理学的検討(OPG/RANKLの発現を免疫組織化学的手法により検討)を行う。(2)In vitro血栓イメージング法(フローチャンバー法:コラーゲンを固層化したガラス板上に、蛍光標識した血小板を含む全血を灌流し、共焦点顕微鏡によるイメージング後、形成された血栓の面積を計測)により動脈硬化性血栓に対するOPGの作用を検討する。(結果)(1)OPG/RANKLは全ての動脈硬化巣および冠動脈血栓に存在し、OPGは平滑筋細胞、マクロファージ、内皮細胞に発現していた。一方、RANKLは同様の細胞および間質にも陽性であった。また、DCA標本上におけるOPG/RANKLの陽性面積率の検討では、不安定狭心症患者において安定狭心症より優位に増加していた。(2)In vitro血栓イメージング法では、recombinant OPGの添加の有無により血栓面積率に変化は認めなかった。また、血小板凝集計による検討においてもOPGは血小板の凝集には影響を及ぼさなかった。考察と結語:OPG/RANKLは、冠動脈硬化巣において過剰発現しておりACS発症に対して関与している可能性が示唆された。
|