2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵胆管系腫瘍の新しい組織分類に関連するムチン抗原の遺伝子発現機構
Project/Area Number |
20590345
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
米澤 傑 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (10175002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 美智代 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (60315405)
後藤 正道 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80325779)
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Keywords | 膵癌 / 膵管内乳頭粘液性腫瘍 / 粘液産生胆管腫瘍 / DNAメチル化 / ムチン / ヒストン化学修飾 / マイクロRNA / 転写後翻訳阻害 |
Research Abstract |
我々が提唱した膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)ならびに粘液産生胆管腫瘍(MPBT)の新分類において重要なポイントとなるMUC1とMUC2、膵胆管系癌の予後不良因子であるMUC4、膵胆管系の腫瘍性病変の早期マーカーであるMUC5ACの発現探索の解析症例数を増やし、新しい組織分類の確立を図った。さらに、様々な癌において予後不良因子であることが報告されているMUC3Aや、膵癌の予後不良に関連しているMUC17の遺伝子発現がエピジェネティクス機構で制御されていることを報告した。すなわち、MUC3Aの転写活性レベルには、プロモーター転写開始点近傍のCpGサイトのメチル化状態が関与することを見い出した。また、MUC17については、(1)プロモーターの転写開始点近傍のCpG-DNAのメチル化状態と(2)同領域に存在するヒストンH3の9番目のリジン残基における化学修飾による制御を受けていることを明らかにした。さらに、(3)近年、癌の進展におけるその機能が注目されているマイクロRNAに関してもMUC17の転写後制御に関わっている可能性を見い出した。 新技術開発の分野においても、MUC1の特定部位を鮮明に免疫染色することが可能な新規抗体を用いて、様々な癌を免疫染色し、MUC1発現の機序解明・動態の把握を行った。また、我々が開発した高感度なDNAメチル化解析方法を臨床検体に応用し、膵液・胆汁液におけるMUC1、MUC2、MUC3A、MUC4、MUC5AC、MUC17の詳細なDNAメチル化解析を可能にした。
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Research Products
(28 results)