2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性炎症-発癌系における上皮・間質細胞のクロストーク不全:疾患モデルによる解明
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20590353
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡安 勲 Kitasato University, 医学部, 教授 (20014342)
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Keywords | 慢性炎症 / 発がん / 間質細胞 / 上皮細胞 / 潰瘍性大腸炎 |
Research Abstract |
[研究の目的と計画の要旨] 潰瘍性大腸炎(UC)を初めとして、各疾患グループの大腸生検材料から、mRNA発現,蛋白質発現をcDNA microarray及びプロテオームで網羅的に解析して、有意な増減の認められる遺伝子、蛋白質を探索するとともに、臨床病理学的に意義のあるものを同定する。 1. H20年度に加えて、さらに症例を増加してゲノミクス、プロテオミクスの検索を行った。その結果、プロテオーム解析からは、活動性UCで有意に上昇していた蛋白質は12、有意に減少していた蛋白質を14種得た。さらにゲノミックス解析からは、活動性潰瘍性大腸炎(ActiveUC)で有意に上昇していたmRNAは9、減少して3mRNAを得た。後者は定量real timePCRにてmRNAの増減を確認した。 2. プロテオーム解析では、1蛋白,ゲノミックス解析からは、olfactomedin4を選択して、病理検体を使用して、蛋白の発現を免疫組織染色で検索し、その発現の増減がUCの炎症の程度と関連するかをしちべた。前者は炎症に伴う酸化的ストレスに関連しており、これを発現する間質細胞がActive UCで増加していた。またolfactomedin4はアポトーシスを抑制する蛋白質であり、これを発現する上皮細胞がやはり、Active UCで増加していることが判明した。今後はこの2種の蛋白質発現の作用を病理検体、及び細胞株を使った実験で明らかにする予定である。
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