2009 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌における葉酸代謝酵素および5-FU標的酵素の発現と化学療法の効果の関連
Project/Area Number |
20590355
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鴨志田 伸吾 Kobe University, 保健学研究科, 教授 (70351020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 路子 (田中 路子) 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40207147)
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Keywords | 葉酸代謝酵素 / ピリミジン合成酵素 / p53遺伝子 / カスペース / アポトーシス / 抗がん剤効果予測 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
本年度は、1.葉酸代謝酵素の免疫染色における塩酸ないし蟻酸処理の効果について検討する、2.諸臓器の癌および非癌組織におけるピリミジン合成酵素の発現に関する学会発表と論文投稿を実施することを目的とした。さらに、これまでの研究計画には含まれていなかった、p53遺伝子解析とアポトーシス実行酵素caspasesの免疫染色によるフッ化ピリミジン系抗がん剤S-1の感受性予測に関する研究にも着手し得た。以下のように要約される。 1.0.1%塩酸水中での加熱処理は、Y-glutamyl hydrolase免疫染色においては優れた抗原性賦活効果を示したが、folylpolyglutamate synthaseおよびfolate transporter-1に対しては効果がなかった。蟻酸処理はいずれの抗原に対しても無効であった。 2.諸臓器の癌組織におけるthymidine kinase-1(TK-1)およびthymidylate synthase(TS)の発現パターンを免疫組織化学的に解明した。TK-1高発現は、胃癌、大腸癌、食道癌および子宮頸癌に検出された。胃癌、大腸癌および子宮頸癌ではTSの高発現も伴っており、salvage経路とde novo経路の両者を介してピリミジン合成が活性化されていることが示唆された。(第98回日本病理学会総会で発表し、英文雑誌Oncology Reportsに受理された) 3.諸臓器がん細胞由来xenograftsを対象として、p53遺伝子の変異、活性型caspase-8および活性型caspse-9の発現とフッ化ピリミジン系抗がん剤S-1の効果との関連性について検討した。p53に変異のある腫瘍において、S-1投与前の活性型caspase-8の発現とS-1の効果に相関関係が証明された。p53遺伝子解析と活性型caspase免疫染色により、S-1の感受性を予測できる可能性が示された。(第99回日本病理学会総会で発表予定)
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