2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌におけるエストロゲン・レセプターβの治療効果予測因子としての重要性の検討
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20590359
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
秋山 太 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌研究所病理部, 臨床病理担当部長 (50222550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 尚子 財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (70321875)
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Keywords | 乳癌 / エストロゲンレセプターβ / 術後無補助療法群 / 自然経過 / エストロゲンレセプターα / プロゲステロンレセプター / HER2 |
Research Abstract |
乳癌の臨床における第二のestrogen receptor、ER-βの検索価値についてのコンセンサスは明確でなかった。我々は、術後tamoxifen(抗estrogen剤)単独補助療法後長期を経た乳癌症例について500例規模の検索を行い、ER-β、特にwild type、ER-β1が、長期予後予測因子として極めて重要であることを明らかにした。しかしこれまでの研究は適切な対照群、すなわち術後無補助療法群を欠いていたため、ER-β発現状況による予後の差が、tamoxifenの効果によるのか癌の自然経過を表しているのか不明であった。この点を明らかにするため本研究では術後無補助療法群を対象とした解析を行う。あらゆる補助療法の効果予測を行う上でも、不可欠な基礎データを構築できるものと期待している。 長期予後が判明している、1980年代に癌研附属病院で手術を施行された遠隔転移のない浸潤癌を対象とし、すでにデータベース化されている臨床情報から、術後補助療法なしの症例を抽出。データの正確さを期し、全例についてカルテチェックを行っている。現在までに、約500例につき、予後、組織型、組織学的悪性度、病期(腫瘍径・リンパ節転移状況)、年齢、閉経状況等、基本情報の収集が終了し、ER-β3種,ER-α(古典的ER),progeste ronereceptor,HER2,Bcl-2等の免疫染色も約250例分終了している。評価は約150例について終了している。現時点では、術後tamoxifen単独補助療法群で認められた、ER-β発現状況による明確な予後の差は明らかとなっていないが、今後さらに症例数を増やすことにより、術後無補助療法群での予後の差の有無、すなわち癌の自然経過を明らかにできると期待している。
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Research Products
(7 results)