2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺癌におけるインテグリンβ4の発現とその意義
Project/Area Number |
20590361
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉岡 年明 秋田大学, 医学部, 助教 (80302264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 祐司 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90208166)
大森 泰文 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90323138)
榎本 克彦 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20151988)
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Keywords | ヒト前立腺癌 / インテグリンβ4 / 増殖能 / アポトーシス |
Research Abstract |
Integrin β4を内在性に発現しているヒト前立腺癌細胞DU145を用いて,sh-RNAにてintegrin β4をノックダウンしたクローンを作製し,in vitroでの増殖能やアポトーシスにおける影響を検討した.その結果,コントロール細胞に比較して,ノックダウン細胞において,増殖能は有意に低下し,またTNF-α-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL)により誘導されるアポトーシスが有意に増加した.またin vivoにおいて,これらの細胞のヌードマウス皮下におけるxenograftの増殖能をみたところ,ノックダウン細胞において,腫瘍の増殖能は有意に低下した. さらに,integrin β4を発現していない,ヒト前立腺癌細胞LNCapを用いて,integrin β4をトランスフェクションして高発現させて,その増殖能を検討したところ,トランスフェクション細胞において,コントロール細胞に比較して,増殖能が有意に増加することを確認した.またintegrin β4のトランスフェクション細胞は,Phorbol 12-myristate 13-acetate (PMA)/2-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate (TPA)により誘導されたアポトーシスを有意に減少させた.さらにこれらの細胞を用いて,ヌードマウス皮下におけるxenograftの増殖能をみたところ,トランスフェクション細胞において,腫瘍の増殖能が有意に増加した. 以上より,ヒト前立腺癌において,integrin β4が腫瘍細胞のin vitroにおける増殖能やアポトーシス,およびin vivoにおけるxenograftの増殖能に関与している可能性が示唆された.
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