2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺腺がんの発生及び悪性化における新規がん関連遺伝子OCIAD2の係わり
Project/Area Number |
20590362
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
南 優子 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (20466676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 雅之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00198582)
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Keywords | OCIAD2 / 肺腺癌 / 腫瘍マーカー / 新規予後関連遺伝子 / 微小浸潤癌 / 上皮内癌 |
Research Abstract |
直径2cm以下の微小浸潤肺腺癌と上皮内癌の間で、発現遣伝子プロファイルを網羅的に比較検討し、微小浸潤肺腺癌で高発現している遺伝子としてOCIA domain containing 2(OCIAD2)を明らかにした(Ishiyama T, Noguchi M et al; Cancer Sci. 2007)。直径2cm以下の小型肺腺癌分類で汎用されている野口分類で分類した微小浸潤癌のTypeCと上皮内癌のTypeAの間でOCIAD2の発現をIn situ hybridization法にて解析した結果、OCIAD2はTypeCに有意に高発現していた。そこで、OCIAD2蛋白特異的な合成ペプチドによるポリクローナル抗体を作成し、予後の明らかな小型肺腺癌133例に免疫染色を行った。免疫染色の結果は、正常肺胞や気管支上皮には染色されず、腫瘍細胞で発現がみられたためOCIAD2の発現は腫瘍特異的であると考えた。OCIAD2は細胞膜に局在する蛋白なので担癌マウスの血液中に腫瘍由来のRNAの存在が予測されるため、OCIAD2が腫瘍マーカーとして応用可能か否かの検討を行う事とした。OCIAD2抗体による免疫染色で発現を認めた肺腺癌細胞株A549、PC14、NCI-H23を各5匹ずつマウスの背部皮下に移植した。腫瘍形成がみられたA549及びPC14移植マウスから移植後45日目に採血し、腫瘍を摘出した。腫瘍より抽出したRMにてRT-PCR法と、ホルマリン固定後の腫瘍組織標本の免疫染色でOCIAD2の発現を確認した。マウスの血液より抽出したRNAでnested PCR法にてRNAの発現を確認した。腫瘍形成の有無に係わらず、コントロールマウスを含め全てのマウスの血液にOCIAD2の発現がみられたが、免疫染色でマウスのリンパ球もOCIAD2に陽性を示していたため、リンパ球の影響も考えられた。血清を用いた腫瘍マーカーとしての応用の可能性をさらに探るため、現在精製タンパクをマウスに免疫しモノクローナル抗体を作製中である。今後得られた抗体を組み合わせELIZA法によるサンドイッチアッセイ系を構築して血清診断への可能性を追求する。
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