2008 Fiscal Year Annual Research Report
53BPI核内フォーカスの普遍的腫瘍組織マーカーとしての意義解析
Project/Area Number |
20590367
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中島 正洋 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50284683)
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Keywords | 癌 / 53BP1 / ゲノム不安定性 / 蛍光免疫染色 |
Research Abstract |
1)通常の甲状腺乳頭癌23例にて53BP1発現とBRAF遺伝子変異の関係を解析した。BRAFは14例(61%)が変異型、9例(39%)は野生型。53BP1発現は変異型の13例(93%)、野生型の8例(89%)が高損傷応答(DDR)型で有意差はなかった。 2)微小乳頭癌(PMC)13例を解析した。BRAFは6例(46%)が変異型、7例(54%)は野生型。53BP1高DDR型発現は変異型の全例でみられたが、野生型では1例(14%)のみで、BRAF変異と高DDR発現との有意な関係がみられた。BRAF野生型/53BP1安定型発現を示すPMCは、濾胞構造が優位で核異型も軽度であった。PMCにはより悪性度の弱い群が存在する。 3)濾胞腺腫(FA)12例と微小浸潤型濾胞癌(FC)10例を用いて53BP1発現を解析した。正常濾胞上皮は全例が安定型を、FAは80%が安定型、20%が低DDR型を、FCは60%が高DDR型を示した。53BP1発現型は濾胞性腫瘍のゲノム不安定性(GIN)の指標となり、高DDR型はFCとFAの鑑別診断に有用である。 14)皮膚腫瘍進展過程において53BP1発現を解析した。脂漏性角化症(SK)10例、日光角化症(AK)8例、Bowen病(BD)9例、扁平上皮癌(SCC)9例、基底細胞癌(BCC)10例を用いた。被覆部SKは全例が安定型を、AKは50%が高DDR型を、BDは67%が高DDR/異常型を、SCCとBCCは全例が高DDR/異常型を示した。皮膚がん化過程においてもGINの亢進が示唆され、53BP1発現は悪性度の指標となる。
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Research Products
(14 results)