2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌における細胞極性制御機構aPKC/PAR系の役割の検討ー乳癌、前立腺癌を中心に
Project/Area Number |
20590368
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
長嶋 洋治 Yokohama City University, 医学研究科, 准教授 (10217995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋本 和憲 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70285104)
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Keywords | 細胞極性 / aPKC-PAR系 / 乳癌 / 前立腺癌 |
Research Abstract |
【背景と目的】 atypical Protein Kinase Cλ/ι(以下,aPKCλ/ι)はPAR3,PAR6などの蛋白と結合し細胞極性の成立,維持に重要な役割を果たしている(以下,aPKC/PAR系).癌細胞は正常細胞と異なり,細胞極性の異常を示す.本研究では最近増加が著しく,様々な程度の細胞極性異常を示す乳癌および前立腺癌におけるaPKC/PAR系の異常を検討した. 【方法と結果】 患者から研究目的に使用することにつきインフォームドコンセントを得た乳癌および前立腺癌組織(横浜市立大学附属病院および神奈川県がん情報機構より入手)を免疫組織化学的および定量的PCR法によって評価したところ,aPKCλ/ιの高発現と細胞質および核内へのびまん性局在が認められた.組織構築の乱れ(乳癌では乳頭管状→充実管状→硬癌;前立腺癌ではGleason3→4→5)に相関して,aPKCλ/ιは高発現しさらにびまん性の局在に移行した.結合蛋白であるPAR3,PAR6については使用した抗体が免疫組織化学染色に不適であり,代替研究法を模索中である. 【結論と展望】 乳癌および前立腺癌ではaPKCλ/ιの高発現と局在異常が生じていることが明らかになった.今後は,aPKCλ/ιの異常が悪性形質の発現に与える分子機構を明らかにするとともに,バイオマーカーや治療標的としての可能性を検証する. なお、今回の収支に関しては、旅費よりも、論文投稿に関しての費用を優先した。
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Research Products
(34 results)