2010 Fiscal Year Annual Research Report
ABCG2遺伝子多型に基づく非小細胞肺癌のゲフィチニブ感受性・副作用発症予測
Project/Area Number |
20590372
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
今井 康雄 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (10342651)
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Keywords | 病理学 / 抗癌剤感受性・副作用発症予測 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
ABCG2遺伝子多型に基づく非小細胞肺癌のゲフィチニブ感受性と有害事象発症予測に関する研究 平成22年度は、ABCG2蛋白質発現量に特に大きく影響を与えるエクソン4のC376Tとエクソン5のC421Aの2つの遺伝子多型を決定し、臨床像との相関を解析した。獨協医科大学越谷病院と茨城県立中央病院にてgefitinibを投与された非小細胞肺癌患者75名のうち野生型は34例、少なくとも1本のアレルに多型を認める変異型は41例に認められ、各群で臨床的背景に有意差を認めなかった。しかし急性肺障害(野生型4/変異型2)、肝機能障害(5/8)、下痢(10/12)、皮膚症状(26/30)の発症にも有意差を認めなかった。白人ではABCG2遺伝子のC421Aとgefitinibによる下痢との関連が報告されているため、我々の結果について大腸上皮由来細胞を用いて考察を行った。大腸癌株DLD-1に野生型BCG2とC421A変異ABCG2のcDNAを強制発現させるとmRNA発現レベルは同様だがC421A導入細胞では蛋白質発現が野生型の1/2であり、SN-38(irinotecanの代謝活性化体)に対して野生型より高感受性を示したが[IC_<50>:親株8.3/野生型21/変異型12(nM)]gefitinibに対する感受性は同様であった[2.6/3.0/3.0(M)]。以上の結果からEGFRシグナル伝達系の支配を強く受けない細胞・組織ではgefitinibの有害事象に対するABCG2遺伝子多型の影響は少ないと考えられた。
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Research Products
(3 results)