2010 Fiscal Year Annual Research Report
悪性中皮腫の早期診断法の開発:分泌型および膜結合型蛋白質の網羅的解析
Project/Area Number |
20590377
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20227408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥井 郁子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70207661)
佐藤 鮎子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20419823)
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Keywords | 分子病理 / 中皮腫 / 診断マーカー |
Research Abstract |
近年、アスベスト(石綿)と関連が深いとされる悪性中皮腫の発症の増加が著しい。悪性中皮腫の確定診断は病理診断に基づいて行われているが、その組織像は上皮様形態(上皮型)から肉腫様形態(肉腫型)に至るまで多彩であり、免疫組織化学染色を施行しても抗体の感度や特異度が十分で無く、病理診断は極めて難しい。また、悪性中皮腫の早期病変を発見するための優れたバイオマーカーは皆無に近い。 我々は、同意が得られた患者の腫瘍組織、胸水、腹水に含まれる腫瘍細胞を培養して、悪性中皮腫由来の培養細胞株の作製を試み、20株を超える中皮腫細胞株を樹立してきた。平成21年度には、これらの中皮腫細胞株を用いて、細胞接着因子に属する1つの分子が中皮腫細胞株に広く発現することを見出した。また、悪性中皮腫と反応性中皮の症例における発現を比較・検討して、この分子が悪性中皮腫の診断マーカーとして有用であることを示した。平成22年度では、他の細胞接着因子についても解析を進め、グリコシルーホスファチジルイノシトール結合型シアロ糖蛋白質(GPIアンカー型膜蛋白質)に属する1つの細胞接着因子が、反応性中皮に比較して悪性中皮腫において強く発現していることを見出した。また、腫瘍細胞が宿主の免疫機構による検知や破壊から逃れることに関与する分子の発現も悪性中皮腫において亢進していることを見出した。これらの分子も悪性中皮腫の診断マーカーとして有用である可能性がある。
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Research Products
(7 results)