2009 Fiscal Year Annual Research Report
消化管上皮細胞の増殖・分化に関わる生理活性物質の局所での転写・翻訳調節機構の解明
Project/Area Number |
20590382
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊藤 浩史 University of Fukui, 医学部, 教授 (80253847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沼 誠二 福井大学, 医学部, 助教 (50452123)
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Keywords | 消化管上皮細胞 / 増殖・分化 / 肝細胞増殖因子 / 転写・翻訳調節 / マイクロRNA |
Research Abstract |
本研究は消化管上皮細胞の増殖・分化に関わる生理活性物質、特に肝細胞増殖因子HGFとその活性化関連分子HGFA,c-met HAI-1,HAI-2,H2RSPの、消化管上皮細胞の増殖・分化における病態生理学的意義の解明を行なうことを目的とし、従来から研究を行っている単層円柱上皮(腺癌)系のみならず、重層扁平上皮(扁平上皮癌)系でのその機能解析も行っている。昨年度行ったHGF刺激前後でのマイクロRNA(miRNA)の発現変化についてmiRNAマイクアレイを用いて比較検討の結果、HGF刺激前後で発現が変動する数個のmiRNAを同定したので、今年度はそのターゲット遺伝子の検索や機能解析を行った(論文投稿中)。また昨年度頭頚部扁平上皮癌で発現しているmiRNA全般についてもマイクロアレイを用いて解析し、扁平上皮で特異的に発現しているmiRNAを複数同定したが、今年度は臨床材料(ホルマリン固定パラフィンブロック)を用いてその検証を行った。その結果miR-205が扁平上皮に特異的に発現するが他の組織ではほとんど発現が見られないこと,miR-21が腺系上皮のみならず扁平上皮においても正常に比し癌部で高発現することが明らかとなった。miRNAは非常に小さく安定でこれ以上断片化されることはなく、ホルマリン固定パラフィンブロックからも簡単に抽出可能であること、また凍結組織と異なり、ホルマリン固定パラフィンブロックは、病理組織診断で日常的に用いられていることから、通常の病理診断に加えて、miR-205とmiR-21を定量することにより、原発不明癌や組織型不明癌に対する扁平上皮癌の診断マーカーになりうることを示し論文として報告した(Oncol Rep, in press)。
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Research Products
(6 results)