2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス性脳症におけるウイルスの抗アポトーシス作用と脳障害発生機構の解析
Project/Area Number |
20590396
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小杉 伊三夫 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 准教授 (10252173)
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Keywords | ウイルス感染症 / サイトメガロウイルス / 神経細胞 / 脳発達障害 / 神経細胞死 / ネクローシス / 興奮毒性細胞死 / アポトーシス |
Research Abstract |
マウスサイトメガロウイルス(MCMV)由来抗細胞死蛋白の感染神経細胞における細胞死抑制と機能障害への関与について、特にM45蛋白を中心に検討した。 1)M45遺伝子を欠失した組換えMCMVの作製。MCMVゲノムのM45遺伝子をMCMVe1プロモーターEGFPカセットで置き換えることで,M45遺伝子欠失MCMV(rMCMV-△M45)の作製を試みた.e1Pro-EGFPカセットをMCMV-M45遺伝子上流域及び下流域のflanking配列で挟んだ直鎖DNAを作製し,MCMV Smith株を用いた相同組換えによってrMCMV-△M45株を樹立した.PCR法によってM45遺伝子の欠失を確認した.また,rMCMV-△M45が感染した線維芽細胞において,EGFPが発現し,M45蛋白が発現しないことを確認した. 2)神経細胞へのin vitro感染実験による観察。初代培養神経細胞にrMCMV-△M45を感染させ,M45遺伝子を持ちEGFPを発現するrMCMV-EGFPを感染させた神経細胞と比較した.rMCMV-EGFP感染神経細胞は感染のみでは細胞死は生じなかった.また,感染神経細胞では,以前報告したように高濃度グルタミン酸暴露による興奮毒性細胞死に対して抵抗性を認めた.一方,rMCMV-△M45感染神経細胞では感染1日後から細胞死が生じ,4日目では殆どの感染神経細胞で細胞死が認められた.以上から,MCMV感染神経細胞においてM45蛋白は,感染神経細胞の細胞死を抑制すると推測された. 3)新生児マウスを用いたCMV難聴モデルを確立し,その成果が北米病理学会機関誌であるLaboratory Investigationに掲載された.
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Research Products
(6 results)