2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590401
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
阿部 康人 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30184229)
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Keywords | 腫瘍 / TOPK / シグナル / 増殖 / 乳癌 |
Research Abstract |
1) 乳癌組織におけるTOPKの発現性と組織学的悪性度ならびに乳癌術後の予後等との関連性の検討を行ってきた。乳癌組織標本にてTOPKの免疫染色を行い、TOPK発現の高さと乳癌のHistologic gradingとの直接的相関について検討し、この間に比較的高い相関性を認めた。乳癌術後予後とTOPK発現性との詳細な相関関係等の検討は目下進行中である。2) TOPK-Raf結合活性の生物学的意義の検討を行った。培養細胞を用いてin vivoでのTOPKとRafの結合性について検討した結果、TOPKとRafとは細胞内で結合している事が示された。in vitro実験系にてリコンビナントTOPKフラグメントとRafフラグメントの結合部位と結合活性について検討し、両者の相互結合部位をアミノ酸レベルで明らかにした。次いでTOPKおよびRafによる相互のリン酸化活性について検討した結果、、TOPKはRafやERKのリン酸化を促進する事が示された。以上より、TOPKがRafと結合することによってRas-Raf-MEK-ERK系増殖シグナルを活性化する事が明らかとなった。3) 目下、TOPK-transgenic mouseの作製を進めている。以上より、TOPKは癌細胞増殖においてERKシグナルを介して重要な役割を果たしていることが明らかとなりつつある。すなわち、乳癌や大腸癌などTOPK発現性の高い癌の治療標的分分子としてTOPKが有用なものとなる可能性が示されつつある。
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Research Products
(2 results)