2008 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄で急増するエイズの防御に向けた新規治療薬創製とヒト化マウスモデルを用いた評価
Project/Area Number |
20590403
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
大隈 和 National Institute of Infectious Diseases, 血液・安全性研究部, 室長 (80315085)
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Keywords | ヒト免疫不全ウイルス1型 / エイズ / 新規治療薬 / 感染実験動物モデル / ヒト化マウス |
Research Abstract |
我が国を含めて世界に蔓延するエイズ/ヒト免疫不全ウイルス感染症の制圧に貢献することを目的に、現在沖縄県で急増している感染者から単離されたウイルス株等の感染を効果的に防御しうる新規エイズ医薬品の開発を進めている。我々が目指しているのは、これまでの薬剤とは作用機序の異なった新規医薬品の開発であり、それを用いた治療法が確立されれば、現在の薬剤では治療困難な多剤耐性株の感染をも制御し、エイズ撲滅に向けた国や地方の医療・福祉等に資することができ意義がある。創製された薬剤の実効性は、試験管内及び感染実験動物モデルで評価されている。後者としては、ヒトの免疫機構を構築したキメラマウス、即ちヒト化マウスを用いている。本研究目的達成のために、本年度は、新規エイズ医薬品候補として、ヒト免疫不全ウイルス1型感染細胞を標的とする組換え水疱性口内炎ウイルスを検証した。試験管内において、組換えウイルスはヒト免疫不全ウイルス1型感染細胞を特異的に殺傷し、ヒト免疫不全ウイルス1型の感染を抑制した。またこの効果は、接着分子を一過性に組換えウイルス表面に取込ませると有意に増強された。さらに、ヒト末梢血単核球を移植した重度免疫不全マウス(ヒト化マウス)にヒト免疫不全ウイルス1型の実験室適応株を感染させて急性感染モデルを構築し、このマウスに組換えウイルスを投与したところ、組換えウイルスはマウス内のヒト免疫不全ウイルス1型の感染増殖を顕著に抑制した。現在、沖縄県で分離された臨床分離株を準備しており、今後その感染に対する組換えウイルスの有効性も、ヒト化マウス感染モデル等を用いて検討していく。さらに新規医薬品候補として、ヒト免疫不全ウイルス1型侵入阻害剤であるケモカイン受容体アンタゴニストの効果も検討し、より有効な抗エイズ療法の開発を推し進める。
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Research Products
(3 results)