2009 Fiscal Year Annual Research Report
RETチロシンキナーゼの下流シグナルを調節する因子の探索と発癌制御への応用
Project/Area Number |
20590412
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
市原 正智 Chubu University, 生命健康科学部, 教授 (00314013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 隆司 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (60223426)
喬 善楼 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (00343658)
村雲 芳樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40324438)
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Keywords | RET / チロシンキナーゼ / isoform / LC / MS / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
RETチロシンキナーゼisoform間に認める下流シグナルの差の検討と分子メカニズムの解明を行うために、RETとH4遺伝子の融合遺伝子であるPTC1/RETを昨年度作成し、さらにGSTを導入しpull-down法により2つのisoform(RET51, RET9)間での差の検討を行った。293FTにトランスフェクションし共沈されるタンパク質は観察されたが、両者間で再現性のある共沈タンパク質の差を示すことが困難であった。一方RET51およびRET9間ではGSTの5'末端または3'末端への導入位置に関わらず4G10抗リン酸化チロシン抗体での検討ではリン酸化タンパク質の分布に再現性のある差が観察された。従って現在、スケールアップした条件下で検討を加えている。次にRET51またはRET9発現細胞間での遺伝子発現の差を、DNAマイクロアレイを用いて検討を加えている。DNAマイクロアレイの結果をIngenuity Pathways Analysis(IPA)を用いて検討を加えたところRET9の下流ではRET51に比してCCL23, CXCL6, CXCL9などのchemokine、Interferon alpha、WNT10Aなどの分泌性情報伝達タンパク質の発現上昇が目立った。さらにPRSS3、KLK11などのペプチダーゼの発現上昇が見られた。IPAではこれらの遺伝子発現の変化は細胞移動等に関連したネットワークに分類されるタンパク質の変化として分類され、RET9の生理的機能に一致している。今後RET51およびRET9間の遺伝子発現変化と下流シグナルの差の関係を明らかにする。
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