2010 Fiscal Year Annual Research Report
マラリアワクチン開発のためのアジュバント分子構築とその免疫賦活機能の解明
Project/Area Number |
20590425
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新川 武 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (50305190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 健 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, ポスドク研究員 (20448591)
平良 東紀 琉球大学, 農学部, 准教授 (60315463)
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Keywords | マラリア / 伝搬阻止ワクチン / アジュバント / デリバリーシステム / ワクチンプラットフォーム / メロゾイトワクチン / 感染防御 / インフルエンザ |
Research Abstract |
本研究の目的は、新規アジュバント及びデリバリーシステムの基盤となる技術の開発である。特に、未だワクチンが存在しないマラリアに対するサブユニットワクチン(コンポーネントワクチン)の開発に寄与するワクチンプラットフォームを創製することを目的としている。さらに、本研究の進展がもたらすアジュバント(免疫賦活物質やデリバリーシステム)を他の感染症ワクチンへ応用することを視野に入れている。マラリア等の寄生虫疾患は、細菌やウイルス性の感染症と異なり、組換え技術によるコンポーネントワクチンの開発に頼らざるをえない。しかし、この類のワクチンは、安全性の面で極めて優れてはいるものの、免疫原性の低さが致命的な問題である。そのため、免疫賦活物質やデリバリーシステムとの併用が不可欠である。研究代表者は、平成20、21年度に独自のワクチンプラットフォーム技術の基盤構築に成功しており(「薬物運搬体並びにこれを利用したアジュバント及びワクチン」PCT/JP2010/51915(2010年2月10日))、その効果を三日熱マラリア伝搬阻止ワクチン候補抗原(Pvs25)に対する有効性として実証した。すなわち、22年度までに以下の第三項目まで達成することができたので報告する。 1.新規アジュバント・デリバリーシステムの構築(20~21年度に基本骨格を完成させた) 2.その生化学的、免疫学的機能解析ならびにマラリア原虫に対する感染防御機能の解析(22年度に達成) 3.新規アジュバント・デリバリーシステムの他の感染症への応用(特に日本脳炎ウイルスに対する効果とマラリア原虫の他のステージに対するワクチン効果を確認)(22年度に達成) 22年度の主な成果は、本システムの免疫学的機能を解析すると同時にその汎用性を伝搬阻止ワクチン以外の抗原を用いて立証したことである。すなわち、マラリア原虫のメロゾイト期の抗原(MSP1)を用い、そのワクチンプラットフォームとしての有効性を実証した。また、22年度の研究実施計画時に対象となる他の感染症として、日本脳炎及びインフルエンザを選択した。そのうち、本システムが日本脳炎ウイルスに対して有効なワクチンとなりえることを証明した。しかし、インフルエンザについては今後の課題として残された。
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Research Products
(26 results)