2008 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫リンパ球と樹状細胞の協調的制御によるマラリア原虫感染防御機構の成立機序
Project/Area Number |
20590428
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
小林 富美恵 Kyorin University, 医学部, 准教授 (20118889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新倉 保 杏林大学, 医学部, 助教 (30407019)
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Keywords | マラリア / 防御免疫 / T細胞 |
Research Abstract |
本年度は、まず、マラリア原虫感染経過に伴う各種免疫担当細胞、特に樹状細胞(DC)サブセットの動態について調べた。P. bergheiの弱毒株(pb XAT)と強毒株(pb NK65)を感染させたマウスの脾臓に存在するCDllc^<high>B220-のconventional DC (cDC)と、CDllc^<int>B220^<high>のplasmacytoid DC (pDC)、さらにCDllc^<int>B220^<int>細胞について解析した結果、pb XAT感染においてこれらDCサブセットの総数がPb NK65感染マウスと比較して原虫血症の急性期と下降期に顕著に増加した。pb NK65が感染するとマウスは重度の原虫血症を示し死亡するがpb XAT感染では自然治癒することから、これらのDCの増殖がマラリア感染防御に深く関与していると考えられた。これらDCの割合を調べると、特にPb NK65感染急性期においてcDCが著しく低下することを認めた。この低下はpDCやCDllc^<int>B220^<int>細胞には認められなかったことから、感染初期のcDCの増殖抑制がその後の感染の増悪を促進する可能性があると考えられた(投稿準備中)。 一方、CD3-でgateしたCDllc^+B220^<int>細胞に注目して解析をすると、この細胞は非感染マウスでは殆ど認められなかったがP. berghei感染後6日目で増殖し、pb NK65に比べてpb XAT感染で割合が高かった。我々は、pb NK65感染の重症病態がpb XATやPy 17XNLなどの弱毒株との混合感染によって抑制されることを明らかにしているが、この混合感染時にCDllc^+B220^<int>細胞の割合が高いという弱毒株感染型のフェノタイプを示したことから、感染初期におけるこの細胞の活性化が病態抑制に関与すると推察された(Niikura et al., J. Immunol,2008)。
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