2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖被覆リポソームを利用した抗結核菌ワクチンの開発
Project/Area Number |
20590439
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
辻村 邦夫 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (10227407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 幸夫 浜松医科大学, 医学部, 理事 (30126809)
永田 年 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90275024)
内嶋 雅人 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20252174)
瀬戸 真太郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50383203)
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Keywords | 結核 / ワクチン / オリゴマンノース / リポソーム / Th1 |
Research Abstract |
結核菌に対するワクチンとしては生菌ワクチンであるBCGが用いられているが、その成人肺結核に対する防御効果は否定的であり、より有効なワクチンの開発が急務となっている。これまで我々は、MPT51をはじめとして、いくつかの結核防御抗原のT細胞エピトープを同定してきた。これらを用いた成分ワクチンにより、結核菌に対する免疫応答を効率よく誘導するためには、アジュバントや抗原デリバリーシステムの開発が必須である。本研究は、我々が新規開発したオリゴマンノース被覆リポソーム(OML)をデリバリーシステムとして、新しい抗結核ワクチンを開発することを目的としている。 卵白アルブミン(OVA)を仮想抗原としてマウスを免疫した予備実験では、OMLに封入したOVAはOVA単独に比べ、抗原特異的なCD4陽性およびCD8陽性T細胞をより効率的に誘導できた。この実験結果を基に、大腸菌で大量発現させた結核防御抗原MPT51をOMLに封入してマウスに免疫し、抗原特異的なT細胞応答および抗体産生の誘導能を検討した。OMLに封入したMPT51により、抗原特異的なIFN-γ産生細胞が誘導でき、IgG2a/IgG2cクラスの抗原特異的な抗体価の上昇が確認できた。これらの結果から、OMLに封入した結核防御抗原で免疫することにより、結核に対する免疫で重要とされるTh1型の免疫応答を効率よく誘導できる可能性が示唆された。しかしMPT51に対するT細胞応答は弱く、マウスに接種した結核菌に対する防御効果は得られなかったため、より免疫原性の強い抗原へ変更しての検討が必要と考えられた。
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Research Products
(18 results)