2010 Fiscal Year Annual Research Report
結核菌感染におけるサイトカイン・ネットワークの構築およびその感染防御機構の解明
Project/Area Number |
20590449
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
梅村 正幸 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教 (90359985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 吾朗 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (30229455)
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Keywords | 結核菌 / 肺感染 / サイトカイン / IL-17 / 感染防御 |
Research Abstract |
これまでに我々は、Mycobacterium bovis bacillus Calmette-Guerin(BCG)感染におけるIL-17Aの役割について追究し、BCG感染肺ではTCR γδ型T細胞からIL-17Aが産生されること、IL-17A遺伝子欠損(KO)マウスでは肉芽腫形成が不完全になることを明らかにしてきた。しかし、このBCG感染モデルでは菌の排除能を指標としたIL-17Aの抗マイコバクテリア免疫応答の重要性が確認できなかった。そこで、本研究ではIL-17A依存性免疫応答をヒト型結核菌感染モデルで検討した。 野生型C57BL/6およびIL-17A KOマウスに1x10e3 cfuのM. tubeuculosis H37Rv株を経気道感染させ、経時的に生存率、臓器内(肺、肝臓および脾臓)菌数、肺組織における肉芽腫形成を解析した。その結果、結核菌感染においてIL-17A KOマウスは野生型マウスに比べ顕著に生存率が低下し、菌の排除能も有意に低下していた。肉芽腫形成も、BCG感染同様、IL-17A欠損状態で低下していた。また、結核菌感染肺においてもIL-17Aの主な産生細胞はTCR γδ型T細胞であり、長期に渡って産生維持されていた。さらに、BCG感染IL-17A KOマウスにおいて肺浸潤T細胞のマイコバクテリア抗原特異的IFN-γ産生能が対照群に比べ低いこと、遅延型過敏反応も低下していること、肺病変部へのリンパ球浸潤が弱いことなどから、IL-17Aが感染防御獲得免疫の誘導に強く関与していることが示唆された。未だ、結核菌を含む細胞内寄生性細菌の感染症におけるIL-17Aの関与する詳細な生体防御メカニズムは明瞭になっていないが、これまでの情報を熟考すると、IL-17Aが早期の炎症反応誘導のみならず、獲得免疫誘導の増強に重要な役割を担っていると考えている。
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[Journal Article] Essential role of interleukin-17A in the formation of a mycobacterial infection-induced granuloma in the lung.2010
Author(s)
Okamoto, Y., Umemura, M., Yahagi, A., O'Brien, R.L., Ikuta, K., Kishihara, K., Hara, H., Nakae, S., Iwakura, Y., Matsuzaki, G.
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Journal Title
The Journal of Immunology
Volume: 184
Pages: 4414-4422
Peer Reviewed
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[Journal Article] Suppressed induction of mycobacterial antigen-specific Th1-type CD4+ T cells in the lung after pulmonary mycobacterial infection.2010
Author(s)
Yahagi, A., Umemura, M., Tamura, T., Kariyone, A., Begum, M.D., Kawakami, K., Okamoto, Y., Oshiro, K., Kohama, H., Arakawa, T., Ohara, N., Takatsu, K., Matsuzaki, G.
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Journal Title
International Immunology
Volume: 22
Pages: 307-318
Peer Reviewed
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