2010 Fiscal Year Annual Research Report
腸管外病原性大腸菌の新規好中球機能阻害因子の検索と機能解析
Project/Area Number |
20590463
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
大西 真 国立感染症研究所, 細菌第一部, 部長 (10233214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿戸 学 国立感染症研究所, 免疫部, 室長 (20392318)
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Keywords | 大腸菌 / 腸管外病原性 / 血清耐性 / 好中球 / 補体 |
Research Abstract |
腸管外病原性大腸菌の基本的性状を整理することから、新規の病原因子の検索を進めているなかで好中球貪食・殺菌機能に対する抵抗性を示す尿路病原性大腸菌を見いだした。そこで、これまでに見いだした好中球抵抗性と系統B2尿路病原性大腸菌との関連を詳細に解析し、あらたな病原機構を明らかにすることを目的として以下の項目について検討を行った。昨年度までの検討結果より異なるMLSTグループに属するCK16(ST27,O18)およびCK17(ST29,O2)の好中球に対する抵抗性の機構は異なることが示唆された。そこで、CK16と同じST27に属し、かつCK17とおなじO2血清群を示す、CK14株の補体抵抗性ならびに好中球貪食・殺菌機能に対する抵抗性を検討した。 その結果、CK14はCK17と同じO血清群に属しながらも、高い血清耐性を示すCK17と異なり著しい血清感受性を示した。また、非動化血漿を用いたオプソニン化CK14は好中球に速やかに処理されることが示された。O2血清群を示すCK14およびCLPS構造が血清耐性(補体抵抗性)に関与している可能性が低いことが示唆された。CK17はK1莢膜抗原を発現しており、補体抵抗性関与している可能性が示唆されていた。しかしながら、前年度までの解析からK1莢膜抗原は好中球貪食抵抗能を付与するが、補体抵抗性には関与しないことを示した。CK14およびCK17との補体感受性の相違は、LPS構造ならびに莢膜の産生性では説明出来ないことが示された。
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