2008 Fiscal Year Annual Research Report
C型インフルエンザウイルスのイオンチャネル蛋白CM2の増殖と病原性における役割
Project/Area Number |
20590465
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
本郷 誠治 Yamagata University, 医学部, 教授 (90229245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 靖 山形大学, 医学部, 准教授 (00241688)
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Keywords | C型インフルエンザウイルス / イオンチャネル蛋白 / CM2 / 増殖 |
Research Abstract |
C型インフルエンザウイルスの増殖におけるCM2の役割を以下のように解析した。 すでに我々は、C型のNP遺伝子の非翻訳領域を末端にもっレポーター遺伝子(GFP遺伝子)を組み込んだRNA発現用ベクターを、9種類のウイルス蛋白発現用ベクターと共に293T細胞にcotransfectionして、レポーター遺伝子がpackagingされたウイルス様粒子を作製する系を確立している。この系からCM2蛋白発現用ベクターを除き、transfection後48時間めの上清から精製したCM2欠損ウイルス様粒子をHMV-II細胞に感染させるとレポーター遺伝子の発現量がCM2存在時に比べ約1/30に減少した。従ってウイルス増殖にCM2は必要であることが明らかになった。精製したCM2欠損ウイルス様粒子の赤血球凝集価と蛋白量がCM2存在下と同等だったこと及び電顕での粒子の形態はCM2の存否で違いは認められなかった成績から、CM2は粒子形成には必須ではないことが明らかになった。しかしCM2欠損ウイルス様粒子からRNAを抽出し、real time RT-PCRでレポーター遺伝子量を定量したところ、CM2存在時に比べ約1/3に減少していた。従ってイオンチャネル蛋白CM2は遺伝子の取り込みに関与していると示唆された。CM2非存在下の遺伝子発現量の低下(約1/30)は遺伝子の取り込みの低下(約1/3)だけでは説明しきれないので、増殖の別の過程にもCM2が関与していることが強く示唆された。現在、どの過程にCM2が働いているのか更に解析中である。
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Research Products
(2 results)