2009 Fiscal Year Annual Research Report
C型インフルエンザウイルスのイオンチャネル蛋白CM2の増殖と病原性における役割
Project/Area Number |
20590465
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
本郷 誠治 Yamagata University, 医学部, 教授 (90229245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 靖 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (00241688)
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Keywords | C型インフルエンザウイルス / イオンチャネル蛋白 / CM2 / 増殖 |
Research Abstract |
C型インフルエンザウイルスの増殖におけるCM2の役割を以下のように解析した。 すでに我々は、C型のNP遺伝子の非翻訳領域を末端にもつレポーター遺伝子(GFP遺伝子)を組み込んだRNA発現用ベクターを、9種類のウイルス蛋白発現用ベクターと共に293T細胞にcotransfectionし、レポーター遺伝子がpackagingされたウイルス様粒子を作製する系を確立している。この系からCM2蛋白発現用ベクターを除き、transfection後48時間めの上清から精製したCM2欠損ウイルス様粒子をHMV-II細胞に感染させ、以下の成績を得た。CM2欠損ウイルス様粒子の細胞への吸着と侵入をFACSで解析したが、野生型と差は認められなかった。膜融合活性を溶血を指標に解析したが、CM2の存否で差はなかった。以上からCM2はウイルスの細胞への吸着、侵入には関与しないこと、さらに膜融合能にも影響しないので、侵入後のエンドソーム膜とエンベロープの膜融合にも影響を与えないと推測された。次に、ウイルス様粒子の感染細胞を感染2時間後に核と細胞質に分画し、核画分のレポーター遺伝子量をreal time PCRで定量することにより、脱殻が完了したレポーター遺伝子が核内へ移行したかを検討した。CM2をもつウイルス様粒子の場合は、感染直後に比べ感染2時間後で有意に核内のレポーター遺伝子量の有意な増加が検出され、脱殻が完了することが確認された。しかし、CM2欠損ウイルス様粒子の感染細胞では感染2時間後に核内のレポーター遺伝子量の有意な増加が検出されず、CM2が脱殻に必要であることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)