2010 Fiscal Year Annual Research Report
C型インフルエンザウイルスのイオンチャネル蛋白CM2の増殖と病原性における役割
Project/Area Number |
20590465
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
本郷 誠治 山形大学, 医学部, 教授 (90229245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 靖 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (00241688)
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Keywords | C型インフルエンザウイルス / イオンチャネル蛋白 / CM2 / 増殖 |
Research Abstract |
本年度は、CM2分子のどの領域がウイルス遺伝子のウイルス粒子への取り込みに関与しているのかを明らかにすることを目的にした。まず初めにC末端から種々の長さの欠失変異を細胞質領域に導入したCM2の蛋白発現用ベクターをウイルス様粒子産生系に用いた場合に、レポーター遺伝子の取り込み効率が低下するか、産生されたウイルス様粒子中のレポーター遺伝子量をreal time PCRで定量することで明らかにする。さらにCM2のイオンチャネル活性を担うと推測される膜貫通ドメインをチャネル活性のないHE糖蛋白のものと置換したCM2変異体C-HE-Cを作製し、同様の実験を行う。効率を低下させた変異の領域が遺伝子の取り込みに関与すると推測される。上記の計画を遂行するためには、各CM2変異体の発現量が同等になる条件を決定し、さらに細胞膜まで輸送されるCM2量が同等であるかを検討する必要がある。まず一過性発現ベクターpME18SにCM2のN末端側にFLAG tagを持つ全長のCM2遺伝子を組み込み、これを鋳型にしてCM2の細胞質領域にC末端側から種々の長さの欠失変異を導入した。これらのプラスミドをCOS-1細胞にtransfectionし、Western blotで解析したが、ほぼ同等の発現量だった。さらに蛍光抗体法でも発現に有意な差はなく、細胞膜にもシグナルが見られ、細胞膜までの輸送にC末端側の33アミノ酸は必須ではないと推測された。また野生型CM2とC-HE-Cの発現量にも差は認められず、蛍光抗体法でC-HE-Cは細胞表面まで輸送されていることが示唆され、膜貫通ドメインが細胞内輸送においてHE蛋白の同ドメインと置換されうることが示唆された。今後は、これらのCM2変異体発現時に形成されるウイルス様粒子へのレポーター遺伝子の取り込み効率をreal time PCRで解析する。
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