2009 Fiscal Year Annual Research Report
レトロウイルスゲノム二量体化及び組換えの分子機構と責任因子の探求
Project/Area Number |
20590471
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
櫻木 淳一 Osaka University, 微生物病研究所, 助教 (90273705)
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Keywords | HIV / RNA / ゲノム二量体化 / 逆転写 / 組換え / ウイルス / 粒子成熟 |
Research Abstract |
HIV-1を含むレトロウイルスのポジティブ一本鎖RNAゲノムはウイルス粒子内で非共有的に結合して二量体を形成している。HIVゲノム二量体化及びゲノム組換えの機序の解明は、遺伝的多様性を主要な生き残り戦略としているHIVの制圧の端緒となり、ワクチン開発を実施する科学的基盤を提供する。本研究では、HIVゲノム二量体化とウイルス粒子産生時の粒子成熟との相関に関しての解析を試みた。その結果現在までに以下の成果を上げた。 1. 粒子成熟時に切断を受けるGag前駆体上の5箇所の切断サイトのうち、NCの前後のサイトがゲノム二量体化に重要であった。 2. 粒子の成熟ステップを模倣する一連の変異体を作成して観察した。その結果最初のステップ(p2-NC間切断)で急速にゲノム二量体化が進行した後、引き続く他サイトの切断によって徐々に均一な二量体として成熟していくことが明らかとなった。 3. ウイルス粒子の形態的変化とゲノム二量体化の進行は完全には一致していなかった。 4. 粒子内RNAの被逆転写能力は粒子成熟の最初のステップによってほぼ十分に獲得されることが明らかとなった。
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