2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫不全ウイルス1型感染初期過程に関わる宿主因子の探索
Project/Area Number |
20590472
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 英美 Osaka University, 微生物病研究所, 助教 (70324845)
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Keywords | HIV-1 / TRIM5 / CypA |
Research Abstract |
ヒト免疫不全ウイルスI型(HIV-1)の感染を抑制する自然免疫分子TRIM5alphaは、種の間で変異に富んでおり、ヒト由来のものはHIV-1もサル免疫不全ウイルス(SIVmac)も感染を抑制できないが、アフリカミドリザル由来のTRIM5alphaはHIV-1もSIVmacも感染を抑制することができる。TRIM5alphaはRING, B-box, coiled-coil、SPRYの4つのドメインからなる構造をしているが、我々は種々の変異TRIM5alphaを作成し、SPRYドメインがウイルスを認識し、TRIM5alphaはRINGドメイン依存的に自己ユビキチン化し、プロテアソームにより分解されることを示した。ところが、自己ユビキチン化能を失ったRINGドメインの変異体であっても、HIV-1の感染を抑制できる一方で、SIVmacの感染は抑制できなくなることから、SIVmacの感染抑制はプロテアソ^ムを介する経路が主体であるのに対して、HIV-1の感染はプロテアソームを介する分解経路以外に、プロテアソームを介さない別の感染抑制メカニズムがあることが判明した。HIV-1にはCyclophilinAが結合しウイルス感染を抑制することを、私は見つけていたが、SIVmacにはcyclophilinAは結合しえない。HIV-1のcyglophilin A結合領域をSIVmacに置換したキメラウイルスも、RING変異TRIM5alphaによる感染抑制を受けたことから、プロテアソームを介さない感染抑制メカニズムには、cyclophilin A以外の因子の関与が示唆された。現在、HIV/SIVmacの別のキメラウイルスを用いて、プロテアソームを介さないウイルス感染抑制機構の解析を進めている。
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Research Products
(14 results)