2008 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス複製に対する脂肪沈着、およびアディポサイトカインの作用
Project/Area Number |
20590475
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山城 剛 University of the Ryukyus, 医学部附属病院, 講師 (80468074)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / アディポサイトカイン / インターフェロン |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)は慢性肝炎を発症、肝硬変、肝細胞癌の原因となるウイルスである。治療にはインターフェロン(IFN)が用いられるが、その作用機所はIFNレセプターを介したシグナル伝達による抗ウイルス蛋白の発現とされる。臨床的に肝組織への脂肪の沈着がHCV肝炎患者のIFN治療効果を有意に下げることが報告されている。肥満者においては脂肪細胞よりアディポサイトカインの分泌が増加しており、本研究の目的は脂肪沈着、アディポサイトカインによる、HCV複製、IFNの作用に対する影響について、HCVレプリコンシステムを用いて、基礎的に調べることである。 HCVレプリコンシステム:HCV遺伝子が持続的に複製をする細胞系。HCV全長遺伝子から構造蛋白領域を欠失させ、Neomycin耐性遺伝子を挿入したsubgenomic RNAを肝癌由来の細胞株であるHuh-7細胞に遺伝子導入し,G418存在下で培養することにより選択的にレプリコンRNAが自律複製している細胞株(レプリコン細胞)を得ることができる。今回の実験で用いた細胞はホタルluciferaseとNeomycin耐性遺伝子の融合遺伝子を発現するレプリコン細胞であり,luciferine量を定量することにより簡便かつ正確にHCV-RNA量を定量、評価することが可能(TYoko,JInfect Dis.2004)である。 細胞内脂肪沈着の影響 方法:人肝細胞由来の培養細胞へ脂肪を沈着させる方法を用い(H Malhi,The Journal of Biological Chemistry,2006)、レプリコン細胞へ脂肪(Oleic acid、palmitoleic acid、stearic acid)を沈着させ、Nile Red染色により、細胞内の脂肪滴の沈着を確認後、HCVレプリコン複製に対する経時的影響についてルシフェラーゼアッセイを行った。 経過:上記方法にてレプリコン細胞への脂肪沈着行ったところ、luciferase活性が不安定となり、実験結果の再現性を得られず、平成21年3月末現在、レプリコン細胞への最適な脂肪沈着法の研究を行っている(補充採択のため、研究は平成20年12月から開始)。
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