2010 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス複製に対する脂肪沈着、およびアディポサイトカインの作用
Project/Area Number |
20590475
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山城 剛 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (80468074)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / アディポサイトカイン / HCVレプリコン |
Research Abstract |
背景:HCVレプリコンシステム(HCV全長遺伝子から構造蛋白領域を欠失させ、代わりにNeomycin耐性遺伝子を挿入したsubgenomic RNAを肝癌由来の細胞株であるHuh-7細胞に遺伝子導入し,G418存在下で培養することにより選択的にレプリコンRNAが自律複製する細胞株、レプリコン細胞Huh7/feoを得ることができる。今回の実験で用いたのはホタルluciferaseとNeomycin耐性遺伝子の融合遺伝子を発現するレプリコン細胞であり,luciferine量を定量することにより簡便かつ正確にHCV-RNA量を定量、評価することが可能、Toma S,Yamashiro T et al.、J Viral Hepat.2009)の開発により人肝細胞由来の培養細胞内でHCVモデルウイルスを増殖させることが可能となった。同システムを用い、アディポサイトカインのHCV複製への影響の検討を行った。方法:アディポネクチン、レプチン、レジスチン含有培養液を、報告されている人血中濃度を参考に3-5段階濃度設定で作成し、HCVレプリコン細胞へ投与、HCV複製に対する作用(48h)についてルシフェラーゼアッセイを行った。結果:東京医科歯科大学より供与されたHCVレプリコン細胞に対して培養環境(培養液、温度、CO2濃度)の調整及び、実験方法の最適化を行い、安定的なHCVレプリコンの増殖を確認。実験を数回繰り返したが、各アディポサイトカインによるHCVレプリコン増殖への有意な作用は認められなかった。結論:今回使用した人肝細胞由来培養細胞自体への上記サイトカインのシグナル伝達が正常人肝細胞と同じであることを確認する必要があるが、今回の結果から肥満と関連したアディポサイトカインによるHCV増殖への影響を証明することはできなかった。
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Research Products
(3 results)