2009 Fiscal Year Annual Research Report
コアヒストンを介する抗ウイルス自然免疫応答機構の解明と応用
Project/Area Number |
20590477
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
武下 文彦 Yokohama City University, 医学部, 准教授 (60333572)
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Keywords | 感染防御 / ウイルス学 / 基礎医学 |
Research Abstract |
コアヒストンH2Bはヌクレオソーム形成としての役割だけでなく、細胞内に存在するウイルス由来DNAを認識し、I型インターフェロン(type I IFNs)を主体とした抗ウイルス自然免疫応答に重要であることをあきらかとした。本研究課題では、ヒストンH2Bを介するnaked DNA(ヌクレオソームに取り込まれていないフリーなDNA)認識機序について分子生物学・生化学的に解析し、このシグナル活性化経路を調節する分子を応用した新規免疫調節薬開発の基盤的研究を行うことを目的とする。 これまでの研究から見出したH2BとIPS-1との融合分子(N'-CARD)は、強力にインターフェロンを誘導することがあきらかとなった。このことから、H2BとIPS-1の複合体形成がtype I IFNs産生シグナルに重要であることが想定された。このH2BとIPS-1の複合体は新規アダプター分子CIAOを介して複合体形成をし、type I IFNs産生調節機構に関与していることをあきらかとした。またヒストンH2BはDNAウイルス感染防御において重要な役割を果たしていることがあきらかとなった。さらに、H2B-CIAO-IPS-1複合体と同様な機能を有すると想定されるN'-CARDはnuclear DNA helicase (NDH)と相互作用することをあきらかとした。siRNAを用いたノックダウン法により自然免疫シグナルにおけるNDHの関与を解析したところ、NDHはN'-CARDを介するtype I IFNs産生シグナル活性化に強く関与しており、一部IPS-1を介したシグナルにも関与していることがあきらかとされた。本年度はN'-CARDとNDH、またはH2B-CIAO-IPS-1複合体とNDHの相互作用を分子生物学・生化学的に詳細な検討を行うと共に、共焦点顕微鏡による細胞内局在動態に焦点を当て研究を進める。
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