2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590483
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 美佐子 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 准教授 (30332456)
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Keywords | 樹状細胞 / 二本鎖RNA / 取り込みレセプター / Toll-like receptor / CDG DNA / エンドソーム / タイプIインターフェロン / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
樹状細胞による細胞外核酸認識は、エンドソームに局在するToll-like receptor(TLR)3, 7, 8, 9によって担われ、タイプエインターフェロンや炎症性サイトカイン産生、樹状細胞の成熟化が誘導されるが、細胞外核酸取り込みの分子機構は不明である。本研究では骨髄系樹状細胞による細胞外二本鎖RNA(dsRNA)の取り込み機構を解析し、以下の事を明らかにした。(1)樹状細胞は合成dsRNAのpoly(I : C)を効率よく取り込むが、in vitro transcribed dsRNAは取り込まず、この違いは5'末端のリン酸基の有無に依存しない(2)poly(I : C)はクラスリン依存的エンドサイトーシスで取り込まれる(3)poly(I : C)の取り込みはTLR9のリガンドで炎症性サイトカイン産生を誘起するB-, C-type oligodeoxynucleotide(ODN)の取り込みと拮抗する(4)取り込まれたpoly(I : C)やB-type CpG ODNは初期エンドソームに局在するTLR3と共局在する(5)部分的にduplex構造をもつウイルス由来のssRNAはTLR3を活性化せず、取り込みも起こらない。以上より、骨髄系樹状細胞では細胞外核酸を選択的に取り込む機構が存在し、poly(I : C)とB-、C-type ODNは共通のレセプターを介して取り込まれエンドソームへ運搬されることが明らかとなった。近年、核酸認識TLRはウイルス由来の核酸のみでなく壊死細胞から放出された自己由来の核酸を認識し、type I IFNや炎症性サイトカイン産生を誘導して自己免疫疾患や炎症性疾患の増悪に関与することが報告されている。こうした核酸の取り込みが核酸-蛋白複合体で行われているという報告もあり、何種類かの取り込みレセプターにより核酸の選別と運搬が担われていると考えられ、今後これらのレセプターの同定を進めていく予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Increased expression of Toll-like receptor 3 in intrahepatic bilinary epithelial cells at sites of ductular reaction in diseased livers2008
Author(s)
Nakamura, M., K. Funami, A. K omori, T. Yokoyama, Y. Aiba, A. Araki, Y. Takii, M. Ito, M. Matsuyama. H. Yatsuhashi. M. Matsumoto, H. Ishibashi, and T. Seya.
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Journal Title
Hepatol. Int. 2
Pages: 222-230
Peer Reviewed
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