2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトγδ型T細胞上に発現する副刺激分子の立体構造解析
Project/Area Number |
20590489
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 義正 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (90280700)
|
Keywords | PD-1 / PD-L1 / 抗腫瘍効果 / T細胞 / T細胞受容体 |
Research Abstract |
本年度は、γδ型T細胞に発現する負の刺激分子、および、抗原提示細胞上に発現するリガンドについてタンパク化学的解析を行った。前年度、γδ型T細胞上に発現する負の刺激受容体としてIRp60を同定し、その細胞外領域の4量体を作成したので、今年度は、そのリガンドがどの細胞種に発現しているかさらに解析を進めた。その結果、IRp60リガンドが抗原提示細胞に多く発現していることが明らかとなった。従って、このIRp60とそのリガンドとの相互作用を遮断することができれば、γδ型T細胞の活性化を亢進させることが可能となる。そこで、その遮断薬のモデルとして、IRp60の細胞外領域タンパク質およびその多量体を大量調製し、それらのγδ型T細胞活性化に対する効果を詳細に検討した。 次に、γδ型T細胞活性化剤として、従来型の非ペプチド性抗原が知られているが、最近になって、ある種の抗体20.1がγδ型T細胞を活性化することが報告されている。そこで、本年度は、その抗体20.1の認識する分子のタンパク化学的および構造学的解析を行った。この分子の細胞外領域を大腸菌で封入体として発現させ、リフォールド後、蛍光標識を行い、γδ型T細胞への親和性を検討した。その結果、この分子の受容体がγδ型T細胞に強く発現していることが明らかとなった。また、この分子は2量体分子であり、CD80/CD86に類似した構造を有していることが明らかになった。 最後に、ヒトPD-1分子とヒトPD-L1分子の構造解析を進めるため、種々の条件で共結晶の作成に取り組み、いくつかの結晶条件を決定することができた。
|
Research Products
(6 results)