2008 Fiscal Year Annual Research Report
胚・造血幹細胞からのγδTリンパ球選択的分化誘導培養系の開発
Project/Area Number |
20590491
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
岸原 健二 Nagasaki International University, 薬学部, 教授 (80214774)
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Keywords | 自然免疫 / γδTリンパ球 |
Research Abstract |
所属研究室の異動やそれに伴う研究環境の整備に時間を費やしたため、当初の予定よりも研究の進行が遅れたが、現在、問題なく研究は遂行されている。本研究の目的は、in vitroでγδTリンパ球が選択的に分化誘導できる細胞培養系を開発することである。平成21年度の研究においては、すでに報告されているマウスDelta-1を導入されたOP9 (OP9-D1)ストローマ細胞を用いた胚幹(ES)細胞からのTリンパ球分化誘導培養系を本研究室において確立し、本研究に必要な実験基盤の整備を最初に行った。次に、研究目的を達成するために、ストローマ細胞に導入するγδTリンパ球の抗原(リガンド)認識に関わる分子(MHC class Ib分子及びMHC class I様分子)の遺伝子クローニングと発現ベクターの構築を行っている。予備実験の結果、とくに有望な分子としてCD1d, T3/T18, T10/T22, Qa-1. Qa-2, Rae-1に絞った。すでに、一部の遺伝子に関しては、OP9ストローマ細胞に遺伝子導入し、安定な発現を有するストローマ細胞クローンを選別中である。OP9-D1を用いたES細胞からのTリンパ球分化誘導培養系へNotchシグナル阻害剤DAPTの添加の影響を調べた結果、濃度依存的にTリンパ球のみならずBリンパ球の発生・分化の抑制も認められ、γδTリンパ球の選択的分化の誘導は今のところ成功していない。さらに、阻害剤濃度および添加スケジュールの再検討が必要であると考えられる。
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