2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590494
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
竹田 和由 Juntendo University, 医学部, 准教授 (80272821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 裕康 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70276476)
秋葉 久弥 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60338316)
中山 勝文 順天堂大学, 医学部, 助教 (20453582)
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Keywords | TRAIL / DR5 / CD40 / CD137 / IL-15 / Erb-2 / HER2 / histone deacetylase inhibitor / bortezomib |
Research Abstract |
現在癌治療に用いられている抗腫瘍抗体は癌に細胞死を誘導する抗体ではなく、完全な拒絶を誘導できない。研究代表者は、癌細胞に発現するTRAIL(TNF関連アポトーシス誘導リガンド)受容体(DR5)に結合し癌細胞死を誘導する抗体と、免疫細胞上の補助刺激受容体を標的とする抗体(抗原提示細胞上のCD40に対する抗体と細胞傷害性T細胞上のCD137に対する抗体)のカクテル療法(trimAb)により、細胞死耐性変異癌を90%含む癌塊や化学発癌で誘導された癌さえも完全に拒絶できることを報告し、細胞死誘導と免疫活性化の併用で免疫系全体をシステムとして活性化させる治療の有効性を示した。本年度は、IL-2のホモログでNK細胞やCD8T細胞をより強く活性化するIL-21とtrimAbの併用によるさらなる免疫系の活性化が治療効果を向上することを報告した。また、癌細胞のTRAIL/DR5による細胞死に対する感受性を増強することによりtrimAb療法の適用を増やすべく、既に臨床応用されているanti-human epidermal growth factor receptor-2(ErbB-2/HER2)に対する抗体、histone deacetylase inhibitor、さらにはプロテアゾーム抑制剤Bortezomibとの併用治療を試み、その全てが相乗的に非常に強力な抗腫瘍作用を発揮し、完全な癌拒絶をより効率よく誘導することを報告した。現在、20%以下のこれらの治療をもエスケープし増殖した癌を採取し、病理学的解析等によりエスケープメカニズムを明らかにすることで、より効率の高い新規癌治療法を開発すべく研究を進めている。
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