2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590494
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
竹田 和由 Juntendo University, 医学部, 准教授 (80272821)
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Keywords | アポトーシス / Tim-3 / CD8α^+樹状細胞 / トレランス / C-ERC / mesotheli / ADCC / 中皮腫 / NK細胞 |
Research Abstract |
現在癌治療に用いられている抗腫瘍抗体は癌に細胞死を誘導する抗体ではなく、完全な拒絶を誘導できない。研究代表者は、癌細胞に発現するTRAIL(TNF関連アポトーシス誘導リガンド)受容体(DR5)に結合し癌細胞死を直接誘導する抗体と、免疫細胞上の補助刺激受容体を標的とし免疫反応を活性化する抗体(抗原提示細胞上のCD40に対する抗体と細胞傷害性T細胞上のCD137に対する抗体)のカクテル療法(trimAb)により、細胞死耐性変異癌を90%含む癌塊や化学発癌で誘導された癌さえも完全に拒絶できることを報告し、細胞死誘導と免疫活性化の併用で免疫系全体をシステムとして活性化させる治療の有効性を示した。本年度は、アポトーシスに至った細胞の貪食は免疫抑制(トレランス)の誘導に至るとの報告があり、癌細胞死の過剰な誘導は逆に抗腫瘍免疫反応を抑制する可能性があるので、そのメカニズムの解析と、癌治療に応用可能な新たな抗腫瘍抗体の開発研究を行った。その結果、CD8α^+樹状細胞によるTim-3を介したアポトーシス細胞の取り込みのにより、免疫抑制が誘導されることが示され、Tim-3の機能抑制に癌細胞に細胞死を誘導した後の抗腫瘍免疫反応を増強する可能性があることが示された。また、C-ERC/mesothelinに対する抗体(22A31)はNK細胞によるADCCを誘導し、中皮腫の増殖を抑制することがマウスを用いた実験で示され、この抗体が中皮腫の治療に応用可能であろうことが示唆された。最終年度は、免疫抑制分子を標的とした研究を行いたい。
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Research Products
(9 results)