Research Abstract |
本研究は,進展する医療情報システムに注目し,民事司法システムの情報化に関する今後の可能性を模索しつつ,この医療情報システムを裁判所による訴訟審理,あるいは法律専門家の評価に耐え得るようなモデルとするべく,現時点でのその問題点を析出して確認し,併せて今後の方向性を模索することを目的とする。 本年度については,研究会およびアメリカ合衆国での調査を行った。まず,大阪地方裁判所医療集中部において,藤本利一が,平成21年7月25日「アメリカ法におけるE-ディスカバリーの現状」と題して,研究報告を行い,その成果を,「米国連邦民事訴訟規則におけるE-ディスカバリー規定の導入とその現状」として阪大法学第59巻3=4号241頁-246頁(平成21年)に掲載した。 平成8年民事訴訟法改正に関与された清水正憲弁護士を招聘し,平成21年9月6日「民事訴訟における情報収集について」と題して,報告をお願いし,意見交換を行った。 大阪地方裁判所医療集中部において,下村眞美が。平成22年2月17日,「電子カルテの特徴と民事訴訟における問題点」と題して,研究報告を行った。 アメリカ合衆国における調査としては,藤本利一が,平成21年11月4日から同月7日まで,ハーバード大学において,資料収集を行った。また,平成22年3月16日から18日まで,シカゴ大学において,資料収集を行った。また,継続して,カリフォルニア大学ヘイスティングス校Richard Marcus教授から,適宜,必要な情報を得ており,若干の意見交換も行っている。
|