2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療面接シミュレータによる生涯教育と地域連携データベースの応用に関する評価研究
Project/Area Number |
20590514
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
熊本 一朗 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40225230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村永 文学 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00325812)
宇都 由美子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (50223582)
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Keywords | 医療面接 / 患者シミュレータ / 医学推論 / 臨床医学教育 / 医用データ管理システム / テキストマイニング |
Research Abstract |
従来は知識偏重傾向であった臨床医学教育において、最近、医療面接技能の習得が重視されるようになった。現在の医学教育の現場では、模擬患者に対するOSCEが広く実施されており、医療面接技能の向上に一定の成果をあげている。しかし従来の手法ではモデル患者を人間が演じているため、典型的な症状を呈するモデルを1人の学生が数回経験する程度にとどまっている。本研究で、我々は模擬患者による医療面接実習の問題点を克服し、医学生らに正しい医療面接技能と鑑別診断能力を習得させることを目的とする医療面接用患者シミュレータを開発した。本シミュレータは、WWWシステム上で医療面接用の模擬患者をコンピュータが演じるものであり、患者の医師への信頼度をシミュレートする点が独創的である。さらに本研究では、医用データ共有システムを用いて医療連携を行った貴重な症例情報等を、患者シミュレータのコンテンツとして登録し利用可能とする手法を確立し、実用性の高い患者シミュレータを開発する。平成21年度は、構築した医療面接用患者シミュレータのコンテンツを医用データ管理システムの連携症例から作成するための環境構築を行った。具体的には、まず医用データ管理システムに試験的な医療連携症例情報の登録を行った。つぎに医用データ管理システムから、画像情報、病歴情報、症状所見、薬歴、検査結果等の情報を抽出し、テキストマイニング技術を応用して、症例データベースの元となるデータを作成する為のツールを試作した。抽出されたデータを元に、医療面接用患者シミュレータ用症例データを作成し、システムへの登録及び機能評価を行った。平成21年度に試作したツールでは、記載された症状所見記事をテキスト処理後に一部手作業で修正する必要が残ったが、概ね良好に変換することができた。平成22年以降は、平成21年度に構築した医療面接用患者シミュレータの評価を行う予定である。
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