2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん薬物療法患者における科学的QOL評価による実地医療への有効な支援法の同定
Project/Area Number |
20590516
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小松 弘和 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (60336675)
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Keywords | 医療の質(QOL) / がん / 薬物療法 |
Research Abstract |
化学療法に伴う副作用の中で、嘔気・嘔吐はがん患者にとって、最大の苦痛の一つである。外来化学療法施行患者を対象とした化学療法に伴う嘔気・嘔吐の現状を評価した結果、外来化学療法対象者では、入院での化学療法患者よりも、嘔気・嘔吐が軽度の傾向がみられた。これは、嘔気・嘔吐を高度に誘発する抗がん剤(シスプラチン等)は入院治療対象となっていることが考えられた。一方、化学療法のレジメンによっては嘔気・嘔吐が高度に誘発される患者群が見いだされ、レジメン毎の制吐対策の再整理が必要であることが判った。多発性骨髄腫のQOL調査手段として、EORTC-MMがあるが、その日本語訳版が未完成にあることから当大学飯田真介医師と共同で日本語版作成の研究をについて着手した。がん患者とともにその家族の苦痛についての現状を把握すべく、アンケート方式で調査を実施した。130名の有効回答の結果、がん患者家族は、診断告知から治療が開始するまでの早期の時期に最も負担を感じることが判明した。また、その負担の解決法は家族の性別で顕著に異なること、がん拠点病院に配置が必須となったがん相談支援センターの認知が乏しく有効利用されていないことが判明した。がん患者、及びその家族のQOLの維持、改善には、個々のがん患者の治療内容、家族の性別等、より個別的な対応が求められていること、診断早期からの介入による支援が重要であることが推測され、今後の研究の方向性を見いだすことができた。
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Research Products
(5 results)