2010 Fiscal Year Annual Research Report
がん薬物療法患者における科学的QOL評価による実地医療への有効な支援法の同定
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20590516
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小松 弘和 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60336675)
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Keywords | 医療の質(QOL) / がん / 薬物療法 |
Research Abstract |
(1) がん患者にとって化学療法に伴う副作用の中で、最大の苦痛の一つである嘔気・嘔吐について、外来化学療法施行患者を対象として、予期性嘔吐について検討した結果、10.3%に認め、その予防対策の重要性が判明した。通常の制吐剤が有効でない予期性嘔吐の対策として行動療法を含めた精神腫瘍学からの視点を見出した。 (2) 化学療法剤による手足症候群の予防について抗がん剤カペシタビンをモデルとして医師、薬剤師、看護師の多職種による対策マニュアルを作成し実施した結果10例中1例のみにグレード2以上の手足症候群の発症を認めるにとどまり多職種共同による副作用対策の有効性が確認された。 (3) 化学療法を含めたがん患者における在宅支援について在宅支援施設にアンケートを実施し、29施設、74名の訪問看護師からの意見をまとめた結果、化学療法を含めた在宅医療の進まない理由として緊急時の対応や医療資源・医療機関連携の不足、家族への負担が抽出され、今後の在宅がん治療のトータルサポートの視点で、中核病院との連携、家族環境への支援の重要性を認識した(本テーマについて当大学医学生が主体となったがん医学生討論会を支援した)。 (4) 外来化学療法通院患者100名を対象として外来化学療法室の環境に関わる12項目について調査した結果、治療開始までの待ち時間、プライバシー、化学療法室のにおい、看護師以外のスタッフである医師、薬剤師の態度に対して不満をもつ患者群があることがわかり、化学療法室の環境整備に示唆を得ることができた。
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Research Products
(5 results)