2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療職に向けられた暴力的言動の発生件数の把握とその疫学的解析
Project/Area Number |
20590517
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
車谷 典男 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10124877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 康幸 奈良県立医学大学, 医学部, 教授 (70145879)
奥地 一夫 奈良県立医学大学, 医学部, 教授 (50204136)
佐伯 圭吾 奈良県立医学大学, 医学部, 助教 (60364056)
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Keywords | 病院管理学 |
Research Abstract |
2011年3月2010年度繰り越し分予算で、医療従事者に対する暴力被害に関する冊子を作成した。 内容は以下の通りである。 (1) 暴力被害に関する横断調査の結果 従来の調査は過去1年間の暴力被害の有無から危険因子の解析を行っていたが、この方法では1人で複数回被害を受けた場合のリスクを過小評価することや、勤務時間が異なる場合の比較が困難なことが問題であった。われわれは、勤務時間あたりの暴力被害の回数から被害の発生率を算出し、発生率比によって発生のリスクを解析した。 診療所医師758名の発生リスクは、若い年齢、短い臨床経験、医療機関所在地の課税対象所得が低いこと、内科に対して皮膚科、精神科、眼科の医師で有意に高いことが分かった。 病院の看護師6987人、看護補助者1663人、事務職員2254人の調査では、看護師の危険因子は若い年齢、女性、内科、外科、整形外科、脳外科、精神・心療内科の勤務、病床数500床以上であった。看護補助者では若い年齢、当直勤務あり、常勤、管理職、脳外科、精神・心療内科、病床数500床以上であった。事務職員では当直勤務の従事が危険因子であった。 (2) 医療従事者に対する暴力被害についての既存疫学レビュー (3) 救急部門における被害調査の結果 救急部門で医師・看護師をモニター員として事例収集を2008年10月から2011年3月で、合計8件、12人からの被害者から報告があり、すべての被害者に対する聞き取り調査結果。 (4) 被害対策について 米国、英国、豪国の既存の暴力被害予防ガイドラインから、危険因子や予防対策に関するチェックリストを抜粋して掲載。
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Research Products
(3 results)