2008 Fiscal Year Annual Research Report
交通事故の地域及び医学特性などの背景因子の分析に関する研究
Project/Area Number |
20590519
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
澤口 聡子 Fukuoka Jo Gakuin University, 人間関係学部, 教授 (90235458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 和夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60345303)
牧 正興 福岡女学院大学, 人間関係学部, 教授 (30141758)
坂田 和子 福岡女学院大学, 人間関係学部, 准教授 (50321344)
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Keywords | 交通事故 / 地理情報システム / 小児 / 高齢者 / 救命救急率 / 地図上解析 / 年齢別解析 / 福岡県 |
Research Abstract |
現代の日本において、交通事故は多発増加傾向にあり、特に小児と高齢者の交通事故の増加が目立つ。少子高齢化を課題とする日本では、小児と高齢者の交通事故施策を適切なものにすることが必須となる。交通事故の現状にはある程度の地域差があり、地域における交通事故の特性の分析と交通施策が必要となる。一方、救急出動件数および救急搬送人員も同様に増加傾向にある。救急医療資源の不足によって、救急医療体制には地域格差が生まれており、結果として救急搬送時間の格差が生じている。河原は、日本の3次救急体制の実態について、地域格差を確認した。以上より、福岡県における小児及び高齢者に焦点をあて、年齢層別の交通事故後の救急救命率の地図上分析Geographic Information System(GIS)を施行することとした。GISの特性を生かし、福岡県の交通事故後の救急医療体制の現状の一端を明らかにすることを目的として、調査と解析をすすめた。(方法)交通事故総合分析センターのホームページから、2006年の福岡県の交通事故の関する年齢層別死者数、年齢層別死傷者数、年齢層別事故件数、年齢層別死亡事故件数を抽出した。交通事故後の救急救命事故率を(交通事故件数ー交通死亡事故件数)/交通事故件数で算出し、交通事故後の救命救急負傷者率を(交通事故死傷者数ー交通事故死者数)/交通事故死傷者数で算出した。河原が作成したGISを用いて作られたデータベースから、福岡県の各市町村役場から最寄の救命救急センターまでの最短の搬送必要時間及び搬送必要距離を算出した。各交通事故現場を各市町村役場と同一と仮定した。以上を、福岡県における2次医療圏毎に整理し、人口比を用いて加重平均を求めた。「交通事故現場から救命救急センターへのアクセシビリティーが高いほど(搬送必要時間あるいは搬送距離が短いほど)交通事故後の救命救急率があがる」を仮設とし、救命救急率と搬送必要時間・搬送必要距離を回帰・相関分析した。各2次医療圏における有意差を一元配置分散分析した。福岡県における市町村別の年齢層別救急救命率をGISのMarket Plannerに落とし、可視化した。(結果)交通事故後の救急救命率の低いところほど搬送時間が長く、搬送時間が短いところほど救命救急率が高い。これには例外があり、救命救急率は高いが搬送時間が長いという望ましい例外と、搬送時間は短いが救命救急率が低いという望ましくない例外の地域が存在した。これらの例外地域における原因分析が今後の課題となる。救命救急センターへのアクセシビリティーに関して、搬送時間の長い地域
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Research Products
(2 results)