2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590521
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
立浪 忍 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 准教授 (70197383)
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Keywords | HCV / インターフェロン / ロジスティックモデル / 乱数 / 血友病 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルスに対する治療効果予測に関する解析に関して、初年度である平成20年度には臨床的なデータに基づくモデルを用いて、治療効果の推定をすることを試みた。治療効果は予測されるSVRの数(ウイルスの消失かつ肝機能の回復が得られる患者の数)で評価することとした。平成20年度の解析対象は、生存中の血液凝固異常症患者でHCV感染があり、かつ、慢性肝炎の状態にあると報告されていた1241人とした。C型肝炎ウイルスのサブタイプが報告されている患者は557人で、報告されたウイルス型は、1a98人、1b118人、2a35人,2b37人,その他22人、1型を含む混合型25人、1型を含まない混合型5人、セロタイプのみ判明のI型174人、セロタイプのみ判明のII型32人となっていた。また、ウイルスRNAの血中の濃度については、679人について報告値があった。 インターフェロンによる治療効果については、その確率をロジスティック関数で記述できると仮定して、6通りのシナリオを用意した。HCVのサブタイプとRNA濃度について、報告値のない患者については上述の観測された分布に従う乱数を代入し、これによってロジスティック関数を用いてSVRの予測数を計算した。乱数の代入は1000通りの繰り返し計算を行ない、SVRの統計量を計算した。最も効率の高い想定では、達成されるSVR数は691±16人(55.7±1.3%)で、反対に最も効率の低い想定では457±16人(36.9±1.3%)であった。推定値に対するデータ欠測の影響は最大でも3%程度であった。平成21年度はHIV感染例について同様の計算を試みると同時に、現実的なシナリオに対応するパラメーターの範囲を検討したい。
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