2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590522
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
能登 真一 Niigata University of Health and Welfare, 医療技術学部, 教授 (00339954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 隆元 杏林大学, 医学部, 講師 (10232795)
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Keywords | 医療経済 / 費用効用分析 / 健康効用値 / QALY / QOL |
Research Abstract |
研究2年目は過去に実施した回復期リハビリテーションの費用効果分析についてのフォローアップと文献データベースからの海外における費用効用分析の動向について調査するという2点について研究を実施した. 回復期リハビリテーション患者のフォローアップでは,1~2年後の健康効用値が発症時0.05±0.24,回復期リハ終了時0.21±0.27であったものが-0.02±0.27となり,リハ終了時からは有意に低下した.これらは限定的なデータであるが,脳卒中や大腿骨頸部骨折といった回復期リハの対象者のQALYを考える際には,単にマルコフモデルのような一義的な健康効用値ではなく,加齢による身体機能の低下を加味した上でそれらの経時的なデータ収集をする必要があり,それらを踏まえたデータの取り扱いが必要であると示唆された.これと同時に,回復期リハ終了後の維持期のリハビリテーションについて,その必要性があらためて確認された. 費用効用分析は増加傾向にあり,海外での費用効果分析や費用効用分析の主流はマルコフモデルやディシジョンツリーを用いたモデル分析となっている.健康効用値は参考文献からの引用が最も多く,測定ツールとしてはEQ-5Dが圧倒的に多かった.ただ,EQ-5Dについては国によって異なるタリフが開発されており,他国との比較をする上では必ずしも信頼性が高いとは言えないと考えられた.またWTP(Willingness to Pay)については,各国ともICER(Incremental Cost Effectiveness Ratio)が円換算で500万円前後となっていた. 本邦においては,モデル分析を含めた費用効用分析の論文化が急がれる状況にあると考えられた.
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Research Products
(2 results)