2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域医療圏でのオピオイド使用によるがん疼痛管理の標準化を目指した多施設共同研究
Project/Area Number |
20590523
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
伊藤 彰博 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (50273355)
|
Keywords | オピオイド / 疼痛パス / レスキュー / 地域連携 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)疼痛制御クリニカルパスの確立:(1)オピオイド使用による導入期パス・ローテーション期パス、安定期パスの3種のクリニカルパスを基盤とした疼痛管理クリニカルパスの運用による疼痛管理を図る、(2)患者申告による主観的疼痛自己評価と、発熱、白血球・CRPなどによる炎症所見、あるいは各種腫瘍進展にかかわるサイトカインや代謝制御に関係する各種ホルモンの推移などによる客観的指標による疼痛評価法の確立を目指す。(3)上記(2)に連動したレスキュー量、タイトレーション法の設定を明らかにすることである。平成22年度は、当院緩和ケア病棟入院患者に対して、疼痛制御クリニカルパス(オキシコドン導入パス)を導入し、使用していない群と比較検討した。クリニカルパスを使用したがん患者24名(CP群)と同時期にCPを使用せずオキシコドンを開始された患者10名(非CP群)に分類。(1)2日以内の夜間の良眠、(2)3日以内の安静時疼痛の消失、(3)5日以内の体動時痛の消失を達成率で(4)導入直前と5日目の症状をフェイススケール(FS)で比較検討。【結果】(1)CP群で61.5%、非CP群で55.6%と有意差はなし(P=0.78)。(2)CP群で69.2%、非CP群で22.2%とCP群で有意に改善(P=0.03)。(3)CP群で46.2%、非CP群で11.1%と有意差はなかったがCP群のほうが改善(P=0.08)。(4)CP群と非CP群のFS(導入直前→5日目)の変化は、2.9±1.1→0.6±0.6、3.7±1.1→2.7±1.1であり、CP群で有意に改善(P<0.0001)。【結論】がん性疼痛緩和におけるCPの導入は、急速な痛みからの解放をもたらし、QOL向上に極めて有用であった。お詫び:オキシコドン以外は使用頻度が低く、遂行できなかった。さらに地域連携までには、到達できず今後の課題と考える。
|
Research Products
(1 results)