2010 Fiscal Year Annual Research Report
薬物感受性判定を目指した乳がん細胞発現蛋白検索法開発
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20590532
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小田桐 弘毅 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60250601)
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Keywords | 癌 / 蛋白質 / プロテオーム / 薬剤感受性 |
Research Abstract |
前年度までは手術で摘出された乳癌組織から抽出したタンパクを用いて二次元電気泳動の条件設定を行った。 至適条件として、一次元電気泳動では膨潤液に添加するタンパク量30μgでpHレンジを3-10,電圧を500vl時間、1000vl時間、8000v2.5時間が最も良い結果であった。二次元電気泳動は10mA/gel 1.5時間で明瞭な泳動パターンが得られた。 組織間のタンパク発現量の差を客観的データで比較するため、定量的二次元電気泳動法としては2D-DIGE(2 dimensional differential gel electrophoresis)を選択した。 がん組織から得られたタンパクおよび非がん組織から得られたタンパクをそれぞれCy3およびCy5という2種類の蛍光色素で標識し、二次元電気泳動を行ってそれぞれの組織中の蛋白量の差を比較した。 10名の乳癌患者の手術材料を用いた検索ではがん組織と非がん組織の間で蛍光色素の量がことなるドットが多数認められた。これらはがんで発現量が変化する蛋白として重要であるため、今後症例を増やして普遍的なドットに関しては、タンパクの同定を行ってがん化の過程の究明に発展させたい。 さらに、この手法を用いて薬物治療前の組織中のタンパクの解析を行い、薬物反応性に重要なタンパクの同定を行う予定である。
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