2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞療法・トランスレーショナルリサーチにおける投与製剤及び試験システムの品質管理
Project/Area Number |
20590535
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長村 文孝 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (90282491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長村 登紀子 (井上 登紀子) 東京大学, 医科学研究所, 講師 (70240736)
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Keywords | 細胞療法 / 品質管理 / トランスレーショナルリサーチ / 品質保証 |
Research Abstract |
細胞療法では特に投与直前の微生物の混入防止がシステム構築上大きな問題となる。平成20年度にグラム染色は簡便かつ迅速ではあるが、細胞培養中の塗沫標本では液量が少なく検討するには(不十分である可能性があることを確認し、平成21年度はBacterial 16S ribosomal RNAをターゲットにしたPCR法の有用性を検証した。平成22年度は細胞調製時に最も混入しやすいStaphylococcus群2系統をヒト由来細胞と共に培養し最適な検出条件を検討した。この際、培養液、回収した細胞等幾つかの対象を設定し検討を行った。培養液では高感度で検出できたものの、細胞のPCR法の検討では、菌数4x10^6CFU/μlが検出限界であった。実際の臨床試験もモデルとして混入試験を設定したが同様であった。これにより、低遠心で回収した培養液のPCR法と、回収した細胞の一部を培養液に再度遊離させグラム染色を行うことが最も有効であることが示された。微生物は環境から混入することが多いが、クリーンベンチの検索では検出されず、部屋からはStaphylococcus群とCandida群を主に認めた。このことから、移植直前の品質チェックとしては、グラム染色と培養液のPCR法が現在の標準的検出方法であるステリテストと同等の検出力を有し有用であり、しかも臨床試験での実際の実施計画にも組み込むことが可能な時間で行うことができることから、両者を施行することが現在最も効果的であり、しかも対象となる微生物を環境測定結果と併せて評価することが有用であると考えられた。しかしながら、細胞そのものからの検出手法が今後の課題であることが示された。
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Research Products
(26 results)